ラブリー
…これは、わたしが行くことになりますよね。

三平は用件を頼んだら自分のデスクに戻ったし、佐和子も用件を済ませて戻ってきちゃった訳である。

仕方ない、行くしかない。

そう言い聞かせると、わたしは椅子から腰をあげた。

小宮課長のデスクに歩み寄ると、
「明日の10時に経理部が会議をするそうなので、4階のB会議室を押さえて欲しいそうです」
と、伝えた。

「4階のB会議室ですね、わかりました」

小宮課長は笑顔で首を縦に振ってうなずいた。

これだけのことを伝えるだけなのに、ものすごい体力を要してしまった気がする…。

わたしは早足で自分のデスクに戻った。

「お疲れ様」

そう声をかけてきた佐和子に、
「ありがとう」

わたしは返事をすると、周りに気づかれないように息を吐いた。
< 5 / 108 >

この作品をシェア

pagetop