ラブリー
堤なずな（ﾂﾂﾐﾅｽﾞﾅ）、２５歳。

大学卒業と同時に『須藤建設』の総務部に就職して、今年で３年目のОＬだ。

ショートカットの黒髪と人並みの容姿、身長は１６０センチとこれと言って特に特徴はない２０代だ。

恋愛経験も全くと言っていいほどなく、２５年間の人生で彼氏ができたことは１度もない。

わたしの場合は自分自身に問題があるんだよね…。

そう思いながら親子丼を食べていたら、
「もう早いところ彼氏を作ったらどうだ？」

生姜焼き定食を食べている三平が声をかけてきた。

昼休み、わたしは佐和子と三平と一緒に６階の食堂で昼食を食べていた。

特に約束を交わしたと言う訳ではないけれど、気がついたらそう言う流れになっているんだよね。

いきなりのことに固まっているわたしに、
「貝原、それってセクハラだろ？」

わたしの隣でしょう油ラーメンを食べている佐和子が向かい側に座っている三平をにらみつけた。

容姿やスタイルがよくても、男言葉で話して周りと張りあおうとするから彼氏ができないのだろうか？
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