完璧執事の甘い罠



「元気って、お前・・・」

「あの、ご飯を食べたいんだけど。食堂に行ったら用意してくれるかな?」

「あ?ああ・・・。そりゃ。用意するよう伝えるけど」




ノエルは、私の様子に戸惑いを隠せない様子で。
それでも私は気にせず喋りつづけた。




「・・・食堂までついていく」

「うん。ありがとう」

「それから・・・すまなかった。もっと早く助けられなくて」

「・・・なんで?十分間に合ってたよ。ありがとう、助けてくれて」




気に病んでほしくない。
ノエルにも、ジルにも。


皆が悪いわけじゃない。
私の覚悟が足りなかったの。
想像力が足りなかった。
危機感も、何もかもが。




「お腹すいたなぁー」




だから、誰も責めてるわけじゃない。
だから、早く元気を出さなくちゃ。




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