完璧執事の甘い罠


風邪をひいてしまった事、悟られてはいけないと思った。
これ以上心配をかけたくないし。


看病してもらうってなると今以上にジルが側にいることになる。
今の私には、その方が辛かった。

公務や、レッスンをしていればジルは側に控えるだけであまり言葉を交わすことは少ない。
私が姫として紹介されてからは、レッスンも外部の先生を呼んで教えてもらうようになった。




朝起きても、気怠さは消えていなくて肩を落とす。
でも、動けないわけじゃない。

それに、今日は大事なパーティーに参加することになっている。


姫として紹介されて初めての公の場。




「今日の予定は、2時間後にはここを出立します。夜はシーエン王国にて開かれる社交界に参加していただきます」

「・・・うん」

「ダンスレッスンの成果を初めてお披露目する日です。これまでのレッスンを思い出し、頑張ってくださいね」

「・・・うん」




今日の予定をジルが説明してくれるのを目も合わさずに聞く。
普通すぎるジルの態度が、どうしても受け入れられない。

私の気持ち、ちゃんとわかってくれてない。
本気だったのに。
軽く流せる程度にしか思われてなかったんだ。




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