【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
 

顔を赤くしながら上目遣いで専務を見ると、今度は鼻の頭に。
かぷりと優しく唇で鼻を食まれ、驚いているうちに、唇を塞がれた。

私が反射的に首をすくめて唇が離れると、専務がクスクス笑いながら後頭部に手を回し優しく捕まえられた。

「せ、んむ……」

どうしていいのか分からなくて小さく足踏みをすると、そんな子供じみた反応をする私を、専務が楽しげに笑う。

「好きだよ、詩乃ちゃん」

キスの合間に囁かれ、幸せで思わず涙が溢れた。


『にゃーん』

遠くでハチの鳴く声が聞こえた気がした。

これでようやく安心して成仏できる。
そんな優しい鳴き声だった。


 
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