【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい
同じクラスだった男の子に付き合おうと言われ、でもすぐに別れた。
『お前みたいな可愛くない女と、本気で付き合うわけねぇだろ! うかれてんじゃねーよ』
投げつけられた容赦ない言葉を思い出すたびに、自分が情けなくなる。
はじめて彼氏ができたことがうれしくて、似合いもしないおしゃれをして、はしゃいでしまった幼い私。
そんなみっともない自分が、恥ずかしくて仕方なかった。
これからは、ちゃんと自分をわきまえて生きていこうと、そう改めて自分に言い聞かせる。
自分には、可愛いものなんて似合わないんだ。私はどうせ無愛想で可愛げのないつまらない女なんだから。
高望みしない。
恋もしない。
似合わないものを欲しがったりしない。
ただ真面目に生きていこうと心に決めた。
「にゃーん」とハチが、いつまでも床に寝転がる私にもう一度頭突きする。
「ハチぃ……」
その体を抱き上げて、ごろりと寝返りをうつ。
「私はお前がいてくれれば、それでいいんだ」
胸の上にハチの体を乗っけて、ぎゅっと抱きしめてそう言った。