走馬灯
酒が入り饒舌になった兄ちゃんは

例のごとく説教を始める・・・。


俺はまたこの説教が大嫌いなんだ。

しつこいし、

だいだいロレツが回っていない。

何を言っているのか

いつもわからない。


俺はずっと下を向いていた。

兄ちゃんは俺の顔をつかみ

“明日必ず病院に行けよ!!”

と言った。

目には涙を浮かべている。


俺は焦点の定まらない目で

遠くを見ながら

小さくうなずいた。

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