おはよう、きみが好きです
「神崎さん、こんなのが彼氏でいいの?」
「あ……あはは」
やっぱり、気のせいじゃない!!
あたしの、王子様ビジョンがぁっ、黒王子に変わっていく〜っ。
「ねぇ、田崎さん、携帯ばっかいじってないで話しなよ」
「えー、環奈ぁ、八雲としか喋んないっ」
若干……いや、かなりショックを受けていると、今度は反対側から不穏な会話が聞こえてきた。
向かいの席を見てみれば、携帯の画面をものすごい速さでスクロールしている環奈ちゃんと、それを睨むクラス委員の三枝さん。
「みんなの親睦会なんだから、もっと……」
「うるさいなぁ、真面目とか環奈、キライっ」
「……あら、気が合うわね。あたしもぶりっ子は嫌いよ」
水と油だ、このふたり……。
ビリビリと、2人の間に電気が走ってる……気がする。
空気も明らかピンッと張り詰めてしまった。