おはよう、きみが好きです

｢泪のこと、何も話さないから分からないとか言って悪かった｣


｢え、でもあれはその通りで……｣


｢いや、泪には話せない理由があるんだろ。だから、人一倍アンタの言葉に、仕草に耳を神経を向けなきゃなんなかったんだ｣



八雲……そんなふうに思っててくれたんだ。

あたしを責めていいのに、自分が悪いだなんて言う。

八雲、優しすぎるよ……。


｢あたしも、何も話さないでごめん｣


病気のことはまだ話すのが怖い。

でも、嫉妬したことは話してもいいんじゃないかな。

いつまでも怖がってたら、いつまでも八雲とすれ違っちゃうから。


｢あのね八雲、あたし本当は嫉妬してたの｣

｢……嫉妬？｣

｢八雲が環奈ちゃんを名前で呼んだり、腕に抱きつかれたり……。そういうの見てるのが辛かったんだ｣


あぁ、ついに言ってしまった。

重いって言われるかもしれないけど、ここまで話したら不安に思ってること、全部話しちゃおう。