ソウル・メイト
さらに2年経った今年、私の母が倒れてしまった。
ヒデさんと話し合い、私たちは両親が住んでいる鹿児島に移り住むことにした。
私たちは両親が住んでいる近くで暮らし、ヒデさんはそこで「安藤小児科」を開業する。
物件も見つかり、来週引っ越す予定だ。

それに私は、ヒデさんと去年入籍したのだ。
あの人と再婚することはできないし、する気もない。

当然「大沢クリーンアップ」も退職する。
今日、ここのお宅の家事代行が、最後の仕事だ。
元夫の単身赴任宅が最後の仕事場なんて・・・皮肉。

確認するようにサッと部屋を見渡した私は、最後の仕事場宅を出た。
ドアを閉めた音が、辺りに静かに響いた―――。

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