ソウル・メイト
私は反射的に千鶴を自分の後ろへ隠すと、ドアを閉めようとした。
でもあの女の方が素早かったため、ドアを閉めることはできなかった。

「隆弘さんが正式に別れた後、あたしたちはここに住むって聞いてたのよ。でもいろいろあって、慰謝料代わりにくれてやったって言うじゃない?なんかねぇ、結局変わんないっていうかー、あたしばっか負担かけさせられてんのよ。その子もあたしにはあんまりなついてくれないし。そこ子いても邪魔だから。返すわ」

言いたいことを言い終えた女は、手に持っていたバッグを、私たちの方へ放り投げると、サッサと歩いて行ってしまった。

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