ソウル・メイト
ということは、やっぱり今のは和美という女だったのか・・。
そしてあの女は、このマンションの住所を知らなかった。
だから千鶴に案内をさせた。あの子を私の元に返すという前提で。

震える息を吐きながら、泣きそうな笑顔を千鶴に向けた私は、娘の髪をヨシヨシと撫でた。
そして、手のひらを千鶴の小さな頬に置いて、娘の顔をじっと見た。

なんだか、千鶴の肌がくすんでいるように見える。
それに、さっき千鶴の髪を撫でたとき、ほつれと絡まりが多いと思った。

あの女は千鶴の髪を梳くこともしなかったのかと思うと、憤りを感じた。
でも・・・私だってそうじゃない。
< 30 / 128 >

この作品をシェア

pagetop