ソウル・メイト
そうだ。たとえ私が妻として、母として、女性としての何かが間違っていたとしても、今ここにいる娘の千鶴という存在は、絶対に間違いじゃない。
それに、今は過去の思い出に浸ることより、この子と一緒にいることの方がずっと大事でしょう?と自分に言い聞かせた私は、向かいに座っている千鶴に、ニッコリと笑った。

あぁ。私・・久しぶりに笑顔になった。
無理矢理作った笑顔じゃなくて、この子がそばにいる幸せを実感したら、自然と笑顔になっていた。

「うん・・。千鶴と一緒だと、もっともっと美味しいね。あ、千鶴。ママの焼きそばも少し食べる?」
「いらない。やきそば、いっぱいたべた」
「いっぱい?」
「うん。かずみさんのおうちにいるとき」
「あ・・そぅ。焼きそばの他は?何を食べてたの?」
「んーと、ラーメン。いろんなあじの。かずみさん、おりょうりはきらいっていってた」

千鶴の言葉に、私はますます眉をひそめた。

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