ソウル・メイト
あの女は、4歳の子にラーメンや焼きそばといったインスタント食品ばかりあげていたのか。
飢え死にさせなかっただけまだマシだろうけど・・・酷い。

「だからね、ちづるは、ラーメンとかやきそば、たべたくないの」
「そう・・そうね。じゃあオムライス食べようね」
「うん!ちづるね、オムライスすき」
「知ってる。だから千鶴は、まっ先にオムライス選んだんだよね?」
「うん。でもー、ちづるは、ママがつくったオムライスが、いちばんすき」
「ちづる・・・」

私はスッと立ち上がると、向かいに座っている千鶴の方へ行き、ギュウっと娘を抱きしめた。

・・・あの人が千鶴を連れて出て行っても、あの人と離婚した後も、私は泣かなかった。
心はたぶん泣いていた。でも・・からっぽになってしまったせいか、涙は出なかった。ずっと。
でも今。ようやく私の目から、涙が流れ出た。

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