ソウル・メイト
「疲れたでしょう?特に精神的に」
「ええ・・」
「ここは毎週伺ってるところだから、まだマシな方よ」
「えっ!これで毎週・・・?じゃあここのお客さんは、7日の間に、こんなに汚くしちゃうの!?」
「そういうことね。私が今まで伺ったお宅の中には、敷きっぱなしの布団からキノコが生えてたこともあったし。まぁそれは、一番最初に伺ったときの話だけど」
「うそでしょ!!」
「うそみたいな冗談。って言いたいところだけど、ホントの話よ。それに、数えきれないくらい大量の袋詰めしたゴミを捨てるために、2トントラックを借りたこともあったっけ」

また呆然としてしまった私に、斉木さんは同情の目を向けながら「分かるわ」と言った。

「私も最初はそうだった。まるで別世界に来たみたいな。“こんな暮らしをしてる人が本当にいるんだ”って、ある意味ショックだった。でも、中には面倒くさいって理由じゃなくて、家事をしたくても体が思うように動かないからできなくて、それでうちに頼んでいるお客さんもいるのよね。お年寄りのご夫婦二人が住んでいるお宅で、最初そこに伺ったとき、なんか自分の両親と重ね見ちゃって。ちょっと切なかったなぁ」
「そぅ・・・」

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