ソウル・メイト
「おはようございます。あのぅ、私“大沢クリーンアップ”の国枝と申します。今日はこれから安藤先生のご自宅をお掃除させていただくことになっていますので、ご自宅の鍵をお預かりしたいのですが」
「あぁそうですか。だったら診察室へ入ってもらっていいですか?おうちの鍵は先生が持ってらっしゃるはずだから」
「あの、今入ってもいいんですか?」
「どうぞどうぞ。私からも言っておきますから」

看護師の恰好をしている私よりも年上の中年女性は、そう言い終えると、その左先にある診察室の方へ歩きながら、元気良く「せんせーい!」と呼びかけた。

それに応えるように、「はーい?」という先生の低い声が、私のところまで聞こえてきた。
私はなぜか笑いそうになりながら、診察室を軽く2回ノックした。

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