マ王の花嫁 
11
「・・・だと思うか?マイ・ディア」
「・・・え」

一歩後ずさった私は、どことなく腰が引けた状態のまま、瞬きを何度かしながらライオネル王を仰ぎ見た。

やはりこの人、大柄で威圧的・・・でも恐怖心を感じないのは、王から優しさを感じるから・・・?

「グルドの男が皆、大柄で屈強な体躯をしているわけではない」
「そ、そう、ですよねっ。でも、貴方様はその・・何故魔王と呼ばれて・・・」

意外にも、ライオネル王は、端正なお顔をニヤニヤさせながら、「そのうちおまえにも分かるだろう」と言った。

・・・言いたくないのかしら。
それにしては、何かこう・・面白がっている表情を浮かべているような・・・。

まさかこれも戯れ?!
それとも・・・この人は、本当に人間ではなくて、“魔王”なの!?

そんな不安が、思いきり顔に出てしまったのを、ライオネル王が見過ごすはずがない。
王はニヤニヤしていた顔を引き締めて真顔になると、私をひたと見据えた。

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