マ王の花嫁 
・・・私がジョセフィーヌ姫ではないとバレてた。
それだけではなくて、私がライオネル王を殺そうとしていることも、王はとっくに見抜いていた!
やはり私は、今すぐこの場で殺されてしまうんだ・・・!

無意識に後ずさっていたけれど、ライオネル王との距離は全然縮まらない。
結果、肖像画と反対側の壁に追いやられただけだった。
せめてもの抵抗・・・にもならないけれど、私は両目をつぶった。

でもそうすると、顔の両側に置かれた王の手や、屈強な体から発せられる熱や息遣いを、余計感じるだけで・・・あぁ!それでも目を開けるのは、怖くてできない!

「おまえが何者なのかは、調べればすぐに分かる。だがそれはつまらん。それに俺は意外にも優しいと、さっき言ったばかりだ。よって、もう暫くの間は、この“ゲーム”につき合ってやろう」
「・・・へ・・・」

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