マ王の花嫁 
「ぎゃぅっ!・・・もうシーザーッ!そんな起こし方しなくても、私はちゃーんと起きるから・・・って今何時・・・」
「キャンッ!」
「・・・そうよね。今日は茶摘みがあるから、もう起きなきゃいけないのよね」

私が上体を起こしたのと同時に、シーザーが私の胸の上からピョンと降りた。
そして私は眠気を覚ますべく、両手を上げてグーンと伸びをしたあと、あくびをする。

キャンキャン吠えるシーザーに急かされるように、一昨日洗濯をしたばかりの真っ白なコットンのカーテンを開けると、外はまだ暗かった。

その景色を見てなぜか心が和むのは、いつも見慣れた景色だからだろうか。
夜明け前の空を見て心がウキウキと弾むのは、何かが始まる前触れ的な予感がするからか。

私はニッコリと微笑むと、しゃがんで足元にいるシーザーを撫でながら「起こしてくれてありがと、早起きさん」と言った。

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