マ王の花嫁 
「娘よ。おまえは今日から3日間王宮に籠り、姫としての基礎教養を身につけてもらう。あまり時間はないが、ロドムーン王国へ赴いても、不審には思われない程度の立ち居振る舞いができれば良い」
「あのっ!私、人を殺すなんて・・・そんなことできません!」
「ならばフィリップを殺す」
「・・・え」
「フィリップだけではない。おまえたちが住んでいる村の民の身の安全、そしておまえたちがしているビジネスの保障、ついでに言えば、そこにいる黒いチンクシャな子犬の命も、全ておまえがやるか否かにかかっている」
「そんな・・・!」
「フローリアン王っ!」
「私とて、おまえがすんなりと引き受けるとは思っていないからな。であれば、おまえに拒否権を与えず、やると言うしかない方向へ持って行くしかないだろう?」

今、この身に起こっている現実を信じたくない。
そんな気持ちをモロに顔に出しながら、私は玉座にいる王を見ることしかできなかった。

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