マ王の花嫁 
30
ライオネル王は私をベッドに寝かせると、王自身も私の横に寝た。

「どうした、ディア。おまえは昨夜から何も食べてない・・」
「いいえ。そんなことありえない。ありえないわ」
「ディア」
「ありえないの」
「・・・そうか」
「ありえないの!そんな事は起こらない!そんな・・・はずなのに、何故・・・ううぅっ・・・なさぃ・・・」
「いいんだ、ディア」
「ごめんなさい。ごめんなさい、ライ様・・ごめんなさい・・どうか、許して・・・」

体を小刻みに震わせ、泣きながら許しを請う私を、ライオネル王はただ自分の方へ引き寄せ、抱きしめてくれた。
それだけで・・・王の熱い体から発せられる温もりをしっかりと感じるだけで、私に少しずつ安堵感が広がっていく。

でも・・・ありえない。あんな事・・・。

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