マ王の花嫁 
35
ハッと目が覚めた時、私はどこにいるのか、一瞬分からなかった。
けれど、右隣にはライオネル様がいる。
途端、ここは宿の一室だと分かり。
そして、部屋に入ってからライ様と何をしたのかを思い出した私の頬が・・いや、全身が、ボッと熱くなってしまった。

婚姻後、初めて迎えた夜と同じように、ライ様は私を激しく、そして優しく、情熱的に抱いてくれた・・・。

大きな体を休めて眠っているライオネル様の温もりを感じた私の心に、いつもの安堵感が広がっていく。
そして、しばしの間、ライ様の寝顔に見入った私は、音を立てないように注意をしながら、そっとベッドから出ようとした、のだけれど・・・。

「マイ・ディア・・・メリッサ」
「あっ」


< 340 / 400 >

この作品をシェア

pagetop