見上げた空は広かった
1年が過ぎた。

ラウラは町の選抜チームにも選ばれた。

選ばれた日彼女は俺の家のインターホンを何度も鳴らした。
大声で玄関前でラウラが俺の名前を叫ぶのが聞こえた。


「いったいどうしたんだよ」
俺はドアを開けて目の前にいる小さなラウラを見下ろした。
「わたしね、町の選抜チームに選ばれたんだよ」
忘れもしないラウラの目は純粋無垢に輝いてた。
泥だらけのジャージ姿でキラキラとした目で俺に報告にきた彼女をを抱きしめながら
「すごいな!がんばったなラウラ」と俺は言った。
「すごいでしょ。わたしもっと強くなるから」
「強くなるんじゃなくて上手くなるんだぞ」
俺は笑いながらいった。
「わかってるよ」
ラウラは照れていた。
「それにしてもラウラちょっと転びすぎじゃないか?かすり傷も打撲も多いみたいだし」
俺は彼女のユニフォームから出ている手足を見ながら言った。
「そうかな?」彼女は少しだけとぼけたようにいう。
「お前、一応女の子なんだから顔にだけは傷つくるなよ」
「うん。ありがとう。。。あのさアルベルト今すこしだけ時間あるかな?」
「ごめん。俺、今からデートで行かなくちゃいけないんだ。明日でいいか?」

そのときラウラは少しだけ困った顔をしたけれどもいつものように微笑み
「うん」と言った。



でも次の日もその次の日も彼女は俺の家を訪ねてこなかった。


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