見上げた空は広かった
「使う?」
アルベルトは私に聞いた。
「ドラッグはいいや」
そう言いながら手に取ったプラスチックバッグを元の場所に置き直した。

私は一瞬この答えでアルベルトに壁を作られるのでは無いかと心配した。

人はみんな同じ事をする相手だけを仲間と思いたがる。

進学校では勉強する人だけを仲間だと思い、
ヤンキーは一緒に授業をサボる人だけを仲間だと思う。
喫煙者は喫煙者を味方し、禁煙者は禁煙者を味方するみたいな感じだ。


ところがアルベルトはいつもと変わらないトーンで
「だよな。手出すなよ」とだけ言って私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。

「そんなことより冷蔵庫開けていい?私のギネス入ってるよね?」
私はあえて何で薬物に手を出しているのかなんて聞かなかったし、辞めなよとも言わなかった。

きっと何か理由があるのだろう。
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