見上げた空は広かった
ハナ 1.4 人間を堕落に導くもっとも大きな悪魔は 自分自身を嫌う心である。
アルベルトが部屋のドアを開けたと同時にかすかに赤くなった目がに気がついた。
これはマリファナやドラッグで赤くなっているのではないことくらいすぐに分かった。

心配されるのもきっと嫌だろうと思って普通に接そうと思った。

机の上しか電気が付いていない部屋だった。
そのオレンジ色の電気が極一部だけを照らしていた。
まるで彼の部屋が彼の心の中を象徴している様だった。

アルベルトがギネスビールを苦手としていることは知っていたけれども、他に言う言葉が見つからなくて一緒に飲もうと彼に聞いた。
案の定「苦手」と言われた。

知ってるよ。

彼は自分の冷蔵庫から白ワインのボトルを取り出してコップに注いだ。
私はイスに座り、彼はベットに腰掛けた。

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