見上げた空は広かった
その日の夜、俺はハナの部屋をノックして半ば強制的にハナをパブに連れて行った。
強制的にと言っても彼女の顔があまり乗り気ではなかっただけで直接NOと言われたわけではない。
彼女は一瞬考えた後に縦に首を振る。
彼女は財布からお札を2枚ほど抜き出してパンツのポケットに入れた。

寮をでていつもの行きつけのイタリア人の初老のバーテンダーがいるパブに向かった。

「何してたの?」ハナは行く途中に俺の顔色を伺うかのように聞く。
「特になにも。いろいろ考えてただけ」
「いつもさ、一人で考えてるけど大丈夫?」
「うん。昔からこうだから」
「あ、そう。ならいいんだけど」

ハナは横目に俺の顔をじっくりと見つめながらそれ以上なにも言わなかった。
< 66 / 134 >

この作品をシェア

pagetop