最後の恋
だから、タケに告白をされるまで私は何も分かっていなかった。


私もタケも恵里も、それぞれが自分へと向けられる気持ちに気づかないまま別の誰かを想っていた…。


そのライバルともなる相手が自分の友達だった恵里の片思いは想像以上に辛いものだったのだとその時初めて気がついた。


私自身がその辛さを身を持って経験していたから……。


だけど恵里はどんな時も明るく、いつも笑顔でいてくれた。


そんな彼女を思い出すと、私には言えなかった辛さも胸に秘めていたのだろうと胸が痛くなった事もあった。


そんな2人が今では夫婦になり、来年には赤ちゃんまで生まれてくるのだから嬉しくないわけがなかった。


付き合いだしたと報告を受けた時も嬉しかったけど、今はその何倍も嬉しい。


そして、最後に幸せを掴んだ恵里の強さと優しさは私の憧れでもあったのかもしれない。
< 126 / 277 >

この作品をシェア

pagetop