最後の恋
「…うん、まぁそうなんだけどね。」

「何、その彼がどうしたの?」

「…今、その人と付き合ってるの。」

「マジか?!っていうか、一ノ瀬君って高校卒業してアメリカの大学に行ったって言ってなかった?」

「うん、そうなんだけどね。半年前に帰国して再会したの。」


そして、私は彼との再会や付き合っている事をタケに伝えた。


それと、婚約者の存在といずれは私から身を引く事を決めている…という事も。


タケは婚約者のことをいうまでは、喜んでくれていたけどそれを話した直後から難しい顔つきになって何かを考えているようだった。


タケの考えている事は言わなくても分かった。


「なんで…分かっててそんな関係始めたんだよ。」

「もうこれ以上、無理だったんだよ…」

「杏奈…」


彼はいつになく悲しそうな目で私を見ていた。
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