最後の恋
「いや、そうなんだけど昔の杏奈はタケル君のことが好きだと思ってたから、振られたってことが信じられなくて。」

「はぁ?んな訳ないだろ。杏奈は俺のこと幼馴染以上に思ってくれてたことなんて一度もないから。」

「そう…だったのか。」


なんだか一ノ瀬君の声も表情もホッとして嬉しそうだった。


「なんか、一ノ瀬君嬉しそうでムカつくんだけど……。でも、今回だけは大目に見てやるよ。さっきも言ったけど、今まではストーカー被害も大したことがなくても、相手だっていつ豹変するか分かんないからな。杏奈自身もそうだけど、一ノ瀬君がちゃんと守ってあげて。じゃ、俺もそろそろ部屋に戻るから。」


そう言って、タケは部屋を出て行った。


タケが出て行った後、ホテルの部屋に一ノ瀬君と2人残された私はいつも以上に緊張していた。


それは、一ノ瀬君がさっきとは違って何も言ってくれないから…。


確かに彼が嫉妬してくれた事は嬉しいと思った。
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