最後の恋
今年のイブは土曜日だったから、彼は以前から2人でどこかに旅行にでも行きたいと言っていた。


本当は、私だって彼と旅行に行ったり楽しい思い出をたくさん作りたかった。


だけど私は特別なイブにするつもりはなかったし、したくなかった。


最後なのに、これ以上幸せな事はなくてもいい…。


終わりが余計に辛くなるだけだからーーー。


だから、彼の部屋で最後の夜を過ごすつもりだったのに…


私たちはホテルの最上階に近いあるレストランで食事をした後、同じホテルのスウィートにいた。


窓から見える景色は、彼のマンションから見える景色とはまた違って見えた。


東京の夜空はやっぱり星がよく見えない。


夜空に浮かぶ星の代わりにチラチラと舞い落ちてくる小さな小さな星が見えた。


そう言えば今夜は初雪が降るかもしれないと、今朝のテレビでお天気お姉さんが言っていたのを思い出した。
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