最後の恋
気を紛らわすつもりで開いたサイトの、更新された作品欄を見ていた。


そこに並んだ幾つかの作品の中の、ある一つの小説が何気なく目に止まった。


何かに導かれるようにその作家さんのプロフィール欄を見ると、まだ他に作品はなく処女作のようだ。


過度な期待はせずに読み始めたが…いい意味で期待を裏切られた。


すごく面白くて気づけば声を出して笑っていた。


現実はどうしようもなく辛いのに、笑える自分にもびっくりしたけど夢中で読んだ。


ラブコメでテンポの良いその作品にどっぷりハマった私は、その作者のファンになった。


いつの間にか眠っていたのか、枕元に転がったままのスマホで時間を確認するとまだ3時前だった。


中途半端な時間に目が覚めてしまったと思いながら、途中だった小説を本棚に入れ画面を閉じた。


翌朝、あれから結局1時間近く眠れなかった私は、微妙に寝不足で目の下にはクマがくっきりと浮かんでいた。


泣きすぎて腫れるよりはマシか…


そう思いながら、クマ用のコンシーラーを使いメイクで誤魔化す。


昨日よりも少し早めに会社に向かった。
< 198 / 277 >

この作品をシェア

pagetop