最後の恋
なぜ、その番号がもう使われていないのか…


なぜ、彼女の名前だけ見つけられなかったのか…


なぜ、わたしに何も言わずに消えてしまったのか…


居ても立っても居られなくなった私が、堪らずに職員室に駆け込み向かったその先は1年の時の私たちの担任でもある西本先生の机だった。


そこで、先生に聞いたその事実に私はショックを隠しきれなかった。


西本先生に向けられた同情のようなその悲しい表情が全てを物語っていたのかもしれない。


友達だと思っていたのは、私だけだったのだろうか……


最後に会いに来てくれたあの時に、紫乃の変化に気づけなかった自分が情けなかった。


よくよく考えたら、連絡もなく突然来ることなんてなかったのに。


どうしてあの時、気づいてあげられなかったのだろう。


どんなに悔やんでも、今はもういなくなってしまった紫乃が何を考え悩み、この街を出て行ったのか私には分からなかった。
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