世界で一番最低で最悪で悲しい恋-sadlove-


―新着メールが届きました・・・


携帯に流れる表示。


━ナオ━


(ナオからだ・・・)


いつも私は、たった一行のメールでナオの元へと走る。


ナオからのメールは、


最高に嬉しくて。


・・・・・最高に恐かった。


あれから、あの時と同じ事を繰り返す。


「おかえり、」


「・・・・ただいま。」


満面の笑みで迎えてくるナオ。
ここは、私の居場所なんだ、ってそう思える瞬間。


痛みを感じたって、


家に居るよりはよっぽどいい。


ナオと体を重ねた時だけは、
空っぽの心が埋まる気がした。
足りない部分が、埋まる気がした。


「学校・・・来ないの?」


「行っとるよ、たまに。」


また同じ行為が終わると、
ベッドの中で話す。
ナオは私の髪を触る。


「見た事ない、」


「みーに会ってへんだけや。」


サラっと言うけど、
胸がギュッと締め付けられる。


あれから時を重ねて、
ナオは私をみーと呼ぶようになった。


「何で連絡くれないの、」


その言葉が、出かかって止めた。

言いたかった。
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