幸せになってもいいですか?


秘書課に配属されると
重役の個人秘書となる前に
先輩方のアシストに就くのが当たり前

だが
私はそれが無く
常務の秘書となった
もちろん無知識だ

秘書長から渡された資料のみ
先輩方の僻みや嫉妬
何を聞いても「わからないわ」と言われ
誰も助けてくれない日々
だから誰にも文句を言われないようにと
秘書検定の勉強もし
先輩方の仕事ぶりを盗み見て
自分に吸収した

それが1年も経てば
立派…とは言い難いが
それなにり仕事をこなせるようになった


「紗枝さん、配車の確認なんだけど…」


専務の秘書である
西島麻里さんが話しかけて来た
麻里さんと話す機会が多い
それもあり
いつの間にか下の名前で呼びあうようになり
たまに食事をする仲になった

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