どんな君でも、愛おしくてたまらない。
◇
あれは、わたしの左腕がまだ“ヒト”だった、去年のクリスマスイブ。
その日は、しんしんと雪が降っていた。
冬休みを利用して、わたしはお母さんとお父さんと一緒に、車で父方の祖父母の家……おばあちゃんとおじいちゃんの元へ向かっていた。
『今年はホワイトクリスマスだな』
山道を運転しているお父さんが、弾んだ声色で言った。
毎年、クリスマスは父方の祖父母の家で、年末は母方の祖父母の家で過ごすと決まっている。
『お母さん!』
『なあに?』
『今年のクリスマスプレゼント、何?教えて!』
『それはサンタしかわからないわ』
『もうっ!子ども扱いしないでよ』
家族団らんで楽しむ、ホワイトクリスマス。
みんな楽しみにしていた。
当たり前の幸せが、そこには在った。