どんな君でも、愛おしくてたまらない。








あれは、わたしの左腕がまだ“ヒト”だった、去年のクリスマスイブ。


その日は、しんしんと雪が降っていた。




冬休みを利用して、わたしはお母さんとお父さんと一緒に、車で父方の祖父母の家……おばあちゃんとおじいちゃんの元へ向かっていた。



『今年はホワイトクリスマスだな』


山道を運転しているお父さんが、弾んだ声色で言った。



毎年、クリスマスは父方の祖父母の家で、年末は母方の祖父母の家で過ごすと決まっている。



『お母さん!』


『なあに?』


『今年のクリスマスプレゼント、何?教えて!』


『それはサンタしかわからないわ』


『もうっ!子ども扱いしないでよ』




家族団らんで楽しむ、ホワイトクリスマス。


みんな楽しみにしていた。



当たり前の幸せが、そこには在った。




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