どんな君でも、愛おしくてたまらない。
幻聴じゃない、よね?
かじかんだ指先が、こ刻めに震えだす。
形容し難いくすんだ感情が、身体中をめぐる。
胸騒ぎがした。
見えにくい、窓の外。
強い風によって、乱れ舞う雪。
その吹雪の奥から、だんだんと不穏な音が近づいてきていた。
何なの?
これは何の音なの?
――刹那、車が大きく揺れた。
『!?』
突然のことに、頭が真っ白になる。
『莉子っ!!』
お母さんとお父さんが、必死な形相でわたしの名を叫んだ。
わたしは無我夢中になって、お母さんとお父さんに左腕を力いっぱい伸ばした。
窓は雪で埋まっていた。