どんな君でも、愛おしくてたまらない。



急がないと、授業が始まっちゃう。



「筆箱取りに戻るね」


「移動教室の場所、わかる?あたしも一緒に行こうか?」


「場所は覚えてるから平気だよ。先に行ってて」



わたしは、咲間さんの優しさだけ受け取って、教室へ走っていった。




早くしないと!


焦りながら教室に入ろうとしたら、誰かとぶつかった。



「ご、ごめんなさいっ」


「悪い……って、莉子ちゃん?」



声につられて目線を少し上にずらす。


ぶつかった相手は、環くんだった。




「何してんの?授業始まるよ?」


「筆箱、忘れちゃって」



苦笑しつつ、わたしの席に置いてあった筆箱を手に取る。



< 98 / 231 >

この作品をシェア

pagetop