恋してアイビー
係員にもう目を離さないように注意を受け、ようやく開放された私たち。
近くにあったベンチに腰掛け、ふう、と一つ息をつく。
問題の少女はニコニコとしながら私の手を精一杯力強く握っていた。
まるでそれは、もう離さない、と言うようで。
どうせ妹ともはぐれてしまったのだ。
諦めてこの子に付き合うとしよう。
そうと決まれば。
「さて、ここでのんびりしてもあれだし、遊園地回ろっか」
「!!うんっ!」
私達はそう言うと、立ち上がり手を繋いだまま本当の親子宜しく歩き出した。
いくつか子供でも乗れるアトラクションを回りながら私は尋ねる。
「じゃあ、あなたの事教えてくれる?『宮本リン』ちゃん」
「え、なんでなまえ、しってるの?」
その疑問を抱けるなら、私が母親じゃないと理解はしてるのか。
心の中でそう納得し、私は自身の背中を指さす。
「リュック。名前札がついてるよ」
そこには年齢の割に綺麗な字で『宮本リン』とそう書かれている。
「あー!ほんとだっ!わすれてた!」
「ははっ、上手な字だね、自分で書いたの?」
「ん!パパにおしえてもらってかいたの!」
お、パパか。
「じゃあ、リンちゃんはパパと仲よしなんだ?」
会話の中で出てきたその存在について尋ねると、リンはそれはそれは眩しい笑顔で元気よく、
「うん!!だいすきなの!」
そう言って頷いた。