胸いっぱいGYU
目覚めるとすでに日本の上空だった。
睡眠不足だったせいもあり、あの後ずっと眠っていたらしい・・。
「諒、起きたのか?」
「あ、ハイ・・」
先生はとっくに起きて雑誌を読んでいた。
窓際に座っていたオレは硝子越しに日本の景色をみた。
4年ぶりの・・日本・・。
「どうだ?久しぶりの日本は?」
「・・・そうですね・・和食でも食いたいですね・・」
この地へもう一度こうして帰ってくるとは思わなかった。
しかもこんな風に・・。
長旅のせいもありオレは飛行機に乗る前よりも冷静になれた。
飛行機が着陸して、タラップを降り、税関を抜けて、荷物を取り、ダッシュでタクシーに乗り込んだ。
売店で売られている新聞を横目に見たけど、やっぱり花園のことがデカデカと書かれているみたいだった。
タクシーに乗り込んだオレはとりあえず香奈と過ごした部屋へと向かった。