胸いっぱいGYU

そのことによって、オレの中でひっそりと生きていた沙都への想いを堂々と生かしてやることができる。



オレの中での沙都は絶対的だ・・。


オレは自分が自由になったことよりも、今回の花園の倒産で香奈が二度と沙都に手出しすることができなくなったことの方がはるかに嬉しかった。


あれから数年間沙都とは会っていない・・。

なのに、沙都の今後の幸せがこんなにもうれしいなんて・・。

一体オレはどこまで沙都のことが好きなんだろう・・。


香奈と過ごした日々の方が断然長いのに・・1年も一緒に過ごしていない沙都のことがこんなにも忘れられない。


きっと一生沙都への想いに縛られて生きていくんだろうな・・。


・・だけど・・それすら心地いい。







オレは今までの生活からの開放感に酔いしれながら歩いていた。

歩きながら思うのは、久住さんだった。


一時帰国したことを報告したい。

そして、親身になってくれていたオレのことを・・今のオレのことを報告したい。


あと・・

聞いてもいいのなら・・数年経った沙都の幸せを・・。



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