友 ~雲外に蒼天あり~
疑心
壬生寺に久しぶりに倖が来た



「忙しかったの?」

「まぁな」

「お団子ありがとうございます!
皆、とっても喜んでいただきましたよ!」

「そうか」

「…何かあったの?」


「まぁな」 
 


話せないだろうな

どうしたんだろ…



「総司!!集まれって!!」

「はい!すぐ行きます!!
…すみません
行かなくちゃ!」

「仕事なんだろ気にすることはない」




後ろ髪を引かれる思いとは、この事






倖の事が心配で…




「総司…聞いてるか?」


「え? あ…すみません」






あれだけ土方さんに啖呵を切ったのに

僕は、私情を挟んでしまった



気合い入れないと!!



話が終わると


「総司!!残れ!」

土方さんが怒ってる


僕は、説教を覚悟して土方さんの前に座す


「総司、倖という娘さんがどうかしたのかい?」


土方さんが、口を開け近藤さんを見た


「なにかあったようで…」

「まだ寺にいるかもしれないなぁ
私も挨拶をしたい!
よし!行こう!」


近藤さんは、僕の心を開いた人

そうだよ!

近藤さんになら倖も話せるかも!!




「はい!行きましょう!!」


土方さんが、項垂れてたけど

僕は、近藤さんと壬生寺に急いだ



「倖!!」



倖は、いた


「やぁ!総司が世話になっているそうだね
私は、近藤勇だ!」


倖は、目をそらしたまま



「あぁ局長の」 と、呟いた


「はっはっはっ!さほど有名ではないが
局長の!だ!はっはっはっ!」


チラリと近藤さんへ視線をやる


「そんなに面白い?」

「面白いさ!世間では、みぼろだのと
毛嫌いされている
その局長だ!それを君のような娘さんが
知ってくれているのだ!
愉快じゃないか!!はっはっはっ!」

「近藤さんは、なんでも楽しいんだ」

「ふーん いいな」

「君も楽しまないと損だ」

「楽しくないが損もない」

「はっはっはっ!そうか!そうか!」

「総司…この人なんなんだ」



竹とんぼを初めて見た時と同じように
倖は、ジロジロと近藤さんをみた





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