友 ~雲外に蒼天あり~
こんな山にいても

良くない雰囲気を感じる

泊まり客がピリピリしてるから



「あとどれくらいだ?」

「支度は整った
残りの者が京に入り次第動く」




本当に、戦をする気なんだ…





新選組は、どう動くだろう

私の文を信じてくれたかな




私は……




こんなところでぬくぬくと暮らしてて

いいのか?



藤堂さんも怪我が治ってない

流行っていた夏風邪は、落ち着いたかな

総司が風邪をぶり返してないといいな



仕事をしていても新選組の事が気掛かりで

どうにもはかどらない





「すみません!!!辞めさせて下さい!!」





突然の申し出にも関わらず

首を縦に振ってくれた




「来たときから、訳ありなのは承知だよ」



笑って肩を叩き

私の手に



「給金だ」


お金を握らせてくれた




「お気持ちだけで結構です!
楽しかったです!お世話になりました!」



「せめて、今夜だけいてちょうだい!」


女将さんが奥から出てきた
いつの間に…



「勝手だが… サッちゃんを娘のように
思わせて貰っていたんだ
こちらこそ、楽しかったよ」



私は、2人の手をとる


「また来てもいいですか?」


「「もちろん!!!」」



こんなに人から必要とされたことはない


新選組と出会い


私は、たくさんの人並みの幸せを得た










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