もう一度、あなたに恋していいですか
「今日数学当たるんだよな。寧々、ノート写させて」

「えー…また宿題してないの?いっつも私が見せてるじゃない」

「あ、私も当たるんだった。寧々ちゃん、私も!」

「二人して…もう」

寧々ちゃんは深いため息をこぼす。
私と昴はいつも寧々ちゃんに頼りきりだった。
私と寧々ちゃんは見た目はそっくりだが、中身は全くと言っていいほど違う。

寧々ちゃんはしっかりもので真面目、成績も学年で上位をキープしている。
クラス委員をしていてみんなに頼られる存在だ。

それに比べ私は勉強はそんなに得意ではなく、成績は中の下。
その代わりスポーツはある程度のものはでき、主に陸上競技は得意だ。

「今日は私のクラス、数学ないから持ってきてないの。自分でなんとかしてね」

そう言って寧々ちゃんは笑う。

「うっ…まじか。寧々のノート写す気満々だったわ…」

苦い顔をして昴はしょんぼりとしながら寧々ちゃんの隣を歩く。
私はそんな二人のあとを一歩後ろから眺めていた。
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