もう一度、あなたに恋していいですか
「やっぱり寧々ちゃんの代わりだったか。そりゃ寧々ちゃんはしっかりしてて、成績優秀で、モテるよね…」

昔から寧々ちゃんにふられたあとに、私に告白してくる人はたまにいた。
いつも私は本気で受け取って戸惑って、その旅にいつも昴は助けてくれて、本気で怒ってくれた。

「確かに、寧々はしっかりしてて成績優秀でモテるのは事実だな」

「うっ…」

「でもお前はお前でいいところたくさんあるって。運動神経は良いし、スポーツしてるときのお前、格好いいよ。馬鹿だけど」

「馬鹿は余計よ」

笑う昴につられて私は思わず笑う。
昴がいてくれて良かった。





ーーー2年3組八木昴くん。いますぐ職員室へ来てください。繰り返します…

「うわやっべ!先生に呼ばれてたんだった」

「ちょっと…今度は何したの?」

「そんなしょっちゅうやらかしてねえよ。じゃあちょっと行ってくるわ。先帰っといていいから、寧々にも言っといて」

「わかった。じゃあね」

私は笑顔で昴の後ろ姿を見送る。
本当、優しいんだから…。







「青春だね~羨ましい」

いきなりの声に私はびくっと肩を震わす。
振り向くと後ろの窓が開いて、頬杖をついて私をみていた。
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