もう一度、あなたに恋していいですか

美々は昔から運動神経が良くて、大抵のスポーツは人よりもできる。
私は運動は全く駄目だから、美々が羨ましい。

「ぷはっ、見たか今？あいつボールとろうとして２度もとり損なったぜ」

昴はげらげらと笑っている。

「そんなときもあるわよ」

「寧々はいつもだもんな」

「うるさいわよ」

私は鋭く昴を睨む。
昴は悪気もなくにやにやしている。

しばらく何も話さずに美々の様子を二人で見つめる。
まだ帰らないのかしら。
そう思いちらっと昴の様子をうかがう。

あれ。
昴ってこんな表情するんだ。

美々を真っ直ぐ見つめる横顔。
それは優しい眼差しで、少し火照った顔。

ああ。
もしかして昴は…

「昴」

「…うん？」

「美々が好きなの？」

「…」

昴は答えない。

聞いちゃいけなかったのかもしれない。
秘密にしたかったのかもしれない。
気づかないふりをすれば良かった。

ごめん、今の忘れて。

そう言おうとした。