秋恋祭り (あきこいまつり)
秋恋祭りは好きと言えない ~雅巳~
 秋祭り当日を迎えた俺は、法被の帯を締め覚悟を決めた。

 今日だけは美夜を守る……


 俺の思っていた通り、大三国をトラックの荷台に乗せると一緒に乗り込んだ男達は美夜を狙っていた。
 俺は全てを美夜に集中した。

 雨に濡れ冷えた体を温めるように一升瓶がまわる。
 俺は美夜の横に座り回ってきた一升瓶を先に受け取り美夜に回し、美也が飲んだ後に俺は又口を付けた。

 皆が美夜との間接キスを狙っている。

 させてたまるものか!

 
 神社に戻りトラックの荷台から降りる美夜に男達が手を貸そうとする。

 それを遮るように俺は声を上げた。


「美夜!」


 俺は両手を大きく広げ、彼女を受け取るよう構えた。

 迷いなく俺の胸に飛び降りた美夜を俺は抱きしめてしまった。

 出来る事ならこのまま抱きしめていたい。


 ふと、顔を上げた美夜の目と重なった。

 俺は咄嗟に美夜から目を逸らしてしまった。

 今にも唇を奪ってしいそうになったから……


 俺は美夜を本気で好きだと気付いてしまった。

 いや、本当はとっくに気付いていた……


 祭りが終わっても消えない思いがここにある事を……
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