時を超えて君想ふ
「オイ、起きろ」

すよすよと気持ちよさそうに寝ているチカ
襟元が少しはだけており
それを目にし、なんとも言えない気持ちになる
それに加え、追い討ちをかけるように、

『ん、んぅんーもぅ、ちょっとぉ……』

少し掠れた甘い声

「……(なンつー声出してンだ)」

思わず、赤面する土方
そして、顔に熱が集まり、それがチカのせい
ということをごまかしたいが故、

『っいったぁ!』

げんこつを落とす

チカは痛みで眠気が一気にどこかへ行き、
のそりと起き上がる

そして、頭を叩いた犯人を恨めしげに睨んだ

けれど、

「起きねェチカが悪い」

と机に向かい、
作業している犯人に反省の色、はない

これは成敗あるのみ!

寝起きには辛いけど、
横腹をめがけて足をあげる
ガラ空きのそこを蹴ると、
犯人は油断していたためクリーンヒット!

つまり、壁へ飛んでいった

はっはーん
ざまあ
天罰だ

あ゛!?と怒り出す土方に
プイっと顔を背ける

文句を言われる筋合いは、ボクにはないと思う

だって、叩いてきたのは土方さんだし、
それに昨日は大変だったんだから
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