意地悪な両思い

譲れないキモチ


 そんな甘いあまい夜から2週間――――。


 1か月の間兼任してきた下の部署でのお手伝いも無事終わり、現在の私は予定通り商店街のイベント企画に取り掛かり中。



週末を控えた金曜日の今日、
長嶋さんを含めた4人の先輩に囲まれる中で発表をしてた私は、


「じゃぁまだ決まり切ってないところは
来週までに決めるとして。

期待してるぞー。」
 長嶋さんたちの資料の束をまとめる音を横目に聞きながら


「頑張ります…!」
 かなーりへとへとでございます!!!



「じゃぁ市田悪いけど片づけよろしくね。」
 返事を聞いた田中さんを筆頭に、会議室を後にしていく中私の背をポンと長嶋さんがたたく。



そのまま彼はこの場を後にして、
何も言わなかったけれど

それは


よく頑張ったなっていう合図。



こういうプレゼンがあったときには、
長嶋さんいっつもそうして私を励ましてくれるんだ。



ここのところ寝不足だし、
体調もはっきりいってよくないんだけど、

頑張ってる姿を見てくれるって分かるだけで、安心しちゃう。


一人じゃないんだな~って。
頑張ってる過程も、長嶋さんは評価してくれてるんだって。


長嶋さんは永遠にわたしの憧れの人だ。


ぽちりと電気を落とす。




 そのまま私は給湯室に寄った。
みんなにコーヒーを配ろうと思って。


すると、

「あ、市田さん。」

「内川くん!お疲れさま。」
 ちょっとだけ久しぶりに感じた。


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