意地悪な両思い
「ほかにも何か聞いてんの?」
「んー?」
てっきりそこでこの話は終わりかと思ったけれど、速水さんの追随はまだ続く。
おかしいな。
さっきはあまり触れてほしくなさそうに感じたんだけど―――
「すごい仕事できるヒトなんですよね?」
「あーうん。
アイツに頼んだら、心配はいらないかな。
1言ったことが4になって返ってくるし。」
そうスラスラ言葉が出てくるあたり、今はむしろ逆。
せきを切ったように、
私にいろんなことを教えてくれる。
話を聞いて分かったのは、どうやら一色さんという人は、人がいい方みたいで
その面倒見のよさからいっつも余計な仕事抱えていたみたいだ。
それを速水さんがよく手伝ってたらしんだけど、
「でもなぜかアイツ、
長嶋と一緒に仕事すると絶対喧嘩になってさ。
それが毎度どうでもいいことで。」
「ふふふっ。
仲良よかったんですね。」
私はもう、同期といえば
内川くんぐらいしか付き合いが最近はないから、羨ましい気もしてくる。
「まぁもう…………何年も前の話だけどね。」
「ううん、それでもだよ。」
私は彼のてを優しく握る。
「なんか、嬉しそうだね?」
「速水さんの新人時代の頃の話、
ちょっとだけ興味あったりしたから。」
それを聞いた彼は、なんだそれと鼻で笑う。
「いつでもしてやるよ、そんぐらい。
って、そんな話聞きたいか?」
「うん、聞きたいよ。
速水さん普段、自分のことあんまり喋ってくれないし。」
「え、そうだっけ?」
「そうだよ。」
首をかしげる速水さんに、まぁいんだけどねとわたしは一言。