意地悪な両思い
「でも、想像以上だったなぁ。」
「なにが?」
「んー?いやいや。」
彼の問いに私は黙る。
そんなに仲良くしてたなんて、知らなかったからさ。
「市田、なに?」
「え?」
赤信号をいいことに、彼は私の顔を覗き込んでくる。
「妬いてんの?」
「は、はぁ!?」
くすっと笑う速水さんに、
口をパクパクさせて私は思いっきり否定。
「べ、べつに!!
妬くわけ!!!!!!!!」
「あ、そうー?」
といいながら、彼の表情は思いっきりにやにや。
「もう!
妬いてないですからね!」
「はいはい。」
「だから、違うってばー!」
「俺、何も言ってないけど。」
だって、そう言いながら速水さん顔、にやついてんだもん!!
「うぅー。
……そりゃ、ちょっと女の人だったら
やばかったかなとかは思いましたけど。」
さすがの私も、男の人相手に妬くなんてことは―――
「え?」
「……え?」
そこで不自然に速水さんと目が合う。
「は!は、速水さん前、まえ!!」
先に口を開いたのは私だった。
「あ、あぁごめん。」
珍しくわき見をした彼は、また前へと向き直る。
「速水さん、どうかしました?
らしくないですけど。」
「いや、…あのさ。」
「ん?」
「……や、何でもない。」
まぁ……いいか?
なんか盛大に、市田ちゃんまた勘違いしてるっぽいけど。
「うん?」
速水さんなんか様子おかしい?
そう気づいていながらも、
「何でもないから。」
安心させるように私の頭を撫でる彼に、
結局のところ、
私はうまいこと丸め込まれた?のかもしれない?